外来種問題について
今回発見されたウーパールーパー。
沢山繁殖していたわけではなく、
たまたま見つかっただけのようですが、
飼っていたペットを捨てたことにより、
自然界で繁殖してしまったことが、
大きな問題になっています。
ここで外来種問題について、
環境省のHPより引用、
参考にまとめました。
外来種とは?
外来種とは、たとえばカミツキガメのように、もともとその地域にいなかったのに、人間の活動によって他の地域から入ってきた生物のことを指します。
ちなみに外国から持ち込まれた生物の事を指すだけでなく、
日本国内のある地域から、
元々いなかった地域に持ち込まれた生物に対しても、
「外来種」といい、
もとからいる生物の生態系に影響が与える場合もあるそうなので、
日本国内に生息している生物だから大丈夫!
というわけでもないようですね。
(この場合は「国内由来の外来種」というそうです。)
さて身近にある植物の中にも、
外来種というのは多く存在しており、
シロツメクサや、
水草のホテイアオイは、
その代表ともいえる植物ですし、
名前からしてもいかにもという、
アメリカザリガニも外来種です。
日本野外に生息する外国が起源となっている生物は、
分かっているだけでも約2000種あると言われているそうですが、
その中でも特に問題となっているのが、
「侵略的外来種」というもの。
外来種の中で、地域の自然環境に大きな影響を与え、生物多様性を脅かすおそれのあるものを、特に侵略的外来種といいます
外来種全てが悪影響を与えているわけではなく、
その場所に順応して上手く共存できる生物もあるのですが、
中には生態系へ悪影響を及ぼしたり、
またそれだけでなく、
人体へ危害を加える生物もいたり、
外来種による、
農林水産への被害も深刻となっています。
そのため、
外来種被害予防三原則として、
・入れない
・捨てない
・拡げない
というのがあります。
さて外来種問題で、
よく話題になっているもののひとつに、
亀の問題があります。
池や川でよく甲羅干しをしている姿は、
とても愛らしくて可愛いのですが・・・
そのほとんどが、
ミドリガメと呼ばれている、
ミシシッピアカミミガメという、
アメリカから輸入された
外来種なのです。
ミドリガメの見分け方の特徴として、
目の横に赤い模様があります。
池にいる亀のほとんどはこの、
ミドリガメ曰くミシシッピアカミミガメ。
そしてたまに見かけるクサガメ。
二本イシガメは野外では見たことないですね・・・
ミドリガメの愛称で人気があったこの亀は、
1960年代よりアメリカから輸入され、
かつてはお祭りなどの「亀すくい」や、
1966年にはなんと!
お菓子メーカーの景品になったこともあったそうで、
1970年代以降から、
ホームセンターなどでも売られるようになり、
値段も手ごろで、
見た目も可愛いことから、
人気の高いペットとして飼われていました。
その一方で、
大きくなるにつれてミドリ色が黒ずみ、
成長すると30cmくらいまで大きくなるうえ、
寿命も長いことから飼いきれなくなり、
人が野外へ放してしまったり、
逃がしてしまう人が増えたことにより、
日本固有種である、
「二ホンイシガメ」の生息場所やエサを奪ってきました。
それだけでなく、
ミドリガメによる、
水草や農作物の被害も深刻になっているそうです。
元はといえば、
人間の身勝手な行為によって、
野外で増えてしまった、
ミドリガメ。
亀そのものには、
何の罪はないのですが・・・
この深刻な事態を受けて、
ミドリガメは【日本の侵略的外来種ワースト100】に、
選定されています。
そして近い将来、
「特定外来生物」に指定されるようです。
そうなると・・・
ミドリガメはペットとして、
飼うことは出来なくなります。
ちなみに、
特定外来生物の中には、
カミツキガメという亀が入っていますが、
許可なく飼育が出来ないはずのカミツキガメが、
度々発見されて問題になっています。
ミドリガメは、
人に対して危害を加えることはありませんが、
このカミツキガメに至っては・・・
人に大きな危害を加える、
大変危険な生き物。
一部のモラルのない人たちの安易な行為が、
社会問題に発展しているといっていいでしょう。
今回のウーパールーパーは、
たまたま発見されたに過ぎないかもしれませんが、
場合によってはいないはずの場所に、
多く繁殖してしまって、
大きな問題になってしまう可能性だってあるかもしれません。
カワイイとか、
珍しいとかいう理由で生き物を飼うのはいいけど、
最後まで責任もって飼育するという、
当たり前のことをしないと、
ウーパールーパーもいづれ、
ミドリガメのような運命になってしまう可能性もあるのだなって、
思いました。
今回のニュースは、
河川に珍しい生き物を見つけた、
というだけでなく、
外来種問題についても、
改めて考えさせられたニュースでした。